本研究は,東京都小平市を事例として,大都市近郊のオープンガーデンの特徴と機能を明らかにすることを目的とした。オープンガーデンとは一般的に,個人が所有する庭を公開する活動のことであり,事例地におけるオープンガーデンは,都市からの近接性や鉄道によるアクセス環境のよさを生かして多くの利用者を集めていることがオープンガーデン利用者へのアンケート調査から明らかになった。また,主催者である行政はオープンガーデンを観光資源として位置づけ,利用者の回遊行動の促進を活動目的の一つとしていたが,利用者は行政が発信する情報よりも雑誌やテレビなどのマスメディアによるオープンガーデンの情報を利用する場合が多く,このような情報は特定のガーデンのみに利用者を誘導する傾向があるため,現実の利用者の行動と行政の理想とする行動の間に乖離が生じていることが明らかになった。