2021 年 2 巻 1 号 p. 49-54
本邦ではがんの終末期を自宅で過ごす患者が増えており,その苦痛を取り除く方法として,PCA(Patient Controlled Analgesia:自己調節鎮痛法)ポンプを使用した医療用麻薬注射剤の持続投与が注目されている.今回我々は,多職種が連携し,PCA ポンプを用いて高用量の医療用麻薬を投与しながら,約 6 か月間にわたる在宅療養を経て自宅での看取りに至った症例を経験したので,ここに報告する.患者は 60 代女性,再発卵巣癌の腹壁転移による在宅療養症例である.