2021 年 2 巻 1 号 p. 45-48
札幌市では 2020 年 4 月中旬から新型コロナウイルス感染症第 2 波の流行があり,介護老人保健施設で集団感染が発生した.札幌市保健所の要請のもと診療支援医師を派遣した.混乱期には人員の不足に対して,人材確保,診療指針の策定を行った.試行錯誤期には搬送のための情報収集の補助,搬送の目安を検討,服薬の減量を行った.現地対策本部が設置され 30 名の入居者の病院への搬送により施設内の状況は落ち着き,集団感染の収束に向かった.在宅医が介入しアドバイスすることは一定の効果がある.現地対策本部設置,介護崩壊対策は今後必要である.行政のみに頼ることなく「自助」「互助」「共助」「公助」の対策を行うことが重要である.