日本在宅医療連合学会誌
Online ISSN : 2435-4007
症例報告
包括的アプローチにより,全盲の高齢者が頚髄損傷受傷後も独居生活を継続できた一例
野尻 恵里諸冨 伸夫
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キーワード: 全盲, 頚髄損傷, 独居
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2021 年 2 巻 2 号 p. 58-63

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抄録

独居の高齢全盲者が転倒により頸髄損傷を受傷し,重複障害者となった症例を経験した.リハアプローチによる ADL の改善は十分ではなかったが,患者は自宅退院を希望した.医療職種と介護職種の多職種連携による包括的アプローチを行い,自宅環境と定期巡回を軸とした居宅サービスを調整して,自宅退院を実現した.退院から 3 年後も独居生活を継続できている.FIM が低下した項目はあるものの,ケアプランの大幅な変更はなく,社会的交流が増え,本人は楽しみを持って生活しており,包括的アプローチによる自宅退院の実現は有意義であったと考える. 重複障害による ADL 障害があっても,自宅退院の実現可能性を十分に検討する必要がある.

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© 2021 一般社団法人日本在宅医療連合学会
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