日本在宅医療連合学会誌
Online ISSN : 2435-4007
活動報告
COVID-19 自宅療養者での肺超音波検査の経験
水間 美宏
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2022 年 3 巻 suppl.-2 号 p. 31-35

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抄録

COVID-19 における自宅療養者の往診にポケットサイズの超音波装置を使用した経験を報告する.当院で超音波検査を行なった自宅療養者は 2 名であった.1 人目は酸素飽和度 97% で呼吸困難はなく,異常な肺超音波像も認めなかったため,軽症と判断し自宅での経過観察を指示した.2 人目は酸素飽和度 97% で呼吸困難はなかったが,肺超音波検査で肺炎等に相当する多発 B ラインを認めたため,中等症 I と判断した.しかし翌々日の超音波検査で B ラインの数が減少したので自宅療養を指示した上で,慎重に経過観察を行った.最終的に両患者とも肺炎の増悪なく軽快した.超音波検査は,CT を実施し難い自宅療養者や宿泊療養者等に行なう検査として有用な選択肢となり得る.今後は訪問看護師等の多職種が,熟練した医師の遠隔指示によって超音波検査を行ない,所見を共有することも期待される.

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© 2022 一般社団法人日本在宅医療連合学会
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