我が国では,病気になっても住み慣れた場所で暮らせるために,在宅医療を推進している.本研究は,診療報酬制度の観点から神奈川県の国民健康保険の6年間の請求データを用いて,在宅死の関連要因を検討した.対象者は65~74歳の末期がん患者とし,アウトカムは死亡場所(在宅または病院)とした.2,748例のうち,2,192例が在宅で死亡し,556例が病院で死亡した.修正ポワソン回帰分析の主な結果として,在宅医療移行前の在宅診療所と病院との連携介入,在宅医による往診の2つの在宅医療サービスと在宅死との正の相関が確認できた.本研究は,これらの在宅医療サービスが在宅医療政策に貢献する可能性を示唆するものである.