目的:在宅医に老衰と死亡診断された患者に,どのような症状や合併症が起こり,どのような治療が行われていたかを明らかにする.
方法:全国在宅療養支援医協会に加盟している719医療機関に,郵送式質問紙調査による症例集積研究を行った.
結果:727例の回答があった.急性疾患として感染症,特に肺炎の合併が最多であった.慢性疾患として認知症の合併が最多であった.死亡前1週間にあった症状として食思不振や嚥下障害の頻度が高かった.死亡前1週間で行った医療行為は,「選択肢にある医療行為なし」が最多であった.
結論:在宅医に老衰と死亡診断された患者における合併症,症状,治療内容の現状が明らかとなった.