2009 年 12 巻 p. 7-28
近年の我が国の高等教育は,機関間の機能別分化を要請しつつ,大学院重点化・部局化,大学設置基準における「講座制」「学科目制」の削除,国立大学の法人化などをドライビングフォースとする機関の自立と機関内組織変容をも求めてきている.こうしたことから大学経営・組織の研究の重要性が高まりつつあるが,過去我が国の大学組織・経営研究は,これまでの政策的関心の低さも併せ,理論実証の両面において充実しているとは言いがたい.そこで本稿では,クラーク(Clark)の高等教育組織の整理分類枠組みに準拠しながら,入手可能な各種実証データを駆使し,我が国高等教育の内部組織の変容と機能を素描し,高等教育組織・経営研究の課題と可能性を探った.