2010 年 13 巻 p. 43-60
大学がユニバーサル化段階に入ったと言われ,大学職員の能力開発(SD)の必要性が強調されている.しかしながらその実態は,研修の積み重ねであったり,スキルアップに傾き過ぎているように思えてならない.大学職員の視点から,SD の目的を「大学改革実現へのマネジメント業務のできる職員の能力開発」と定め,その目的達成のためには,大学職員は,自律的・組織的にSD に取り組む必要性があると同時に,大学は職員への大胆な権限委譲を行う必要があるとの問題提起をしている.大学行政管理学会のSD プログラム検討委員会での検討も踏まえて,職員の能力開発についての政策動向や,大学関係団体の取組やいくつかの大学の事例も紹介し,今後の課題についても言及した.