2015 年 18 巻 p. 89-104
日本のバブル経済が1990年に崩壊したのち,1995年には科学技術基本法が誕生して政府の研究開発投資が拡大された.東日本大震災をへて,科学技術イノベーション政策が2013年から加速された.このような科学技術政策の変遷が高等教育政策に及ぼした影響として,政府の研究開発投資の拡大が大学をうるおした.しかし,成果である論文発表数は,90年代に増加したのち,2000年以降は伸び悩んだ.また,投資が一部に集中して大学格差を広げた可能性があり,高等教育政策と科学技術政策の協調と役割分担が期待される.科学技術イノベーション政策への高等教育の関与のあり方についても,検討を深めることが望ましい.