高等教育研究
Online ISSN : 2434-2343
特集 高等教育研究のニューフロンティア
18歳人口減少期の高等教育機会
大学進学行動の地域的差異から見た地域配置政策の含意
朴澤 泰男
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2017 年 20 巻 p. 51-70

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抄録

 18歳人口減少期の日本において,一部の地域(東京圏)だけは18歳人口が減らない状況のもと,新たな大学「地域配置政策」が実施されるとすれば,高等教育の機会にはどのような影響が生じうるのか.大学進学行動の地域的差異に関する検討を手がかりに考察した.

 『学校基本調査』を基に18歳人口や大学入学者の出身地域,大学進学者の進学先地域について,地域別の時系列データの推移を検討した結果,以下の示唆が得られた.もし,東京で大学新増設の抑制が行われるならば,東京圏への学生集中の緩和は,東京圏出身の女子や,北関東のような近隣の地方県の出身者の入学が減少することを通して実現する可能性がある.

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© 2017 日本高等教育学会
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