本稿の目的は,学習成果とその可視化について近年の動向をレビューし,論点を整理することにある.まず,学習成果を,①目標と評価対象,②直接的と間接的,③機関横断的・機関・プログラム・科目の各レベル,という3つの観点から捉えた.次に,この学習成果の多面性と関連づけながら,可視化の方法とツールを直接評価と間接評価,量的評価と質的評価の二軸で分類し,それぞれの特徴を明らかにした.さらに,こうした学習成果の可視化がもたらす第二次の可視化の例として,付加価値分析による大学の教育力の可視化と,メタ分析による効果的な教育方法の可視化を挙げた.最後に,学習成果の可視化の孕む問題として,数値化可能な学習成果への切り詰め,評価から目標への浸食,多様性の喪失,評価負担の大きさの4点を提示した.