2020 年 23 巻 p. 75-96
日本の学術研究活動の水準は論文の被引用度等の指標において他の主要国に劣るという指摘があり,その改善に向けた論議も展開されている.日本の学術研究活動の向上のためには,他国の事例を参照しつつ日本の現状の理解を深めることも重要と考えられる.米国,ドイツ,英国はそれぞれ異なる学術研究システムやそれに対する支援システムを有しているが,本稿においては特に基盤的資金と競争的研究資金によるいわゆるデュアルサポートシステムについてそのメカニズムと評価について概観する.日本においては基盤的資金と競争的研究資金の一体的な改革が提案されているが,海外事例との比較を通して日本の取り組みへの示唆を探る.