2021 年 24 巻 p. 69-88
本稿はコロナ渦による新規大卒採用・就職への影響について展望した.新規大卒採用・就職の現状はコロナ特有というよりも雇用状況の変化を反映するものであり,未就職者が増加すれば大学教育のあり方に関する議論がいつものように再燃するだろう.他方で「ジョブ型」採用は途上にあり,従来の事務系/技術系の枠組みを曖昧に維持したまま,技術系のみを優遇するにとどまる.新規大卒男性を全員総合職として処遇する限り「ジョブ型」の普及・定着は難しいが,将来性はあっても職務も職場も無限定な「メンバーシップ型」ではないとされる「ジョブ型」への志向が労働社会の実態以上に生徒や学生において高まり,大学に対する期待にも影響を及ぼす可能性が指摘される.