2021 年 24 巻 p. 49-68
本稿は2000年代以降の大学生文化の蓄積(「生徒化」,「授業・出席・学内滞在時間」,「交友」,「部・サークル活動」,「アルバイト」,「読書」)を振り返り,学修成果よりも広範な「社会化」の側面から学生の成長を検討した.大学改革の影響で大学内の教育効果を優先する傾向となっているが,学生生活を全体的に見渡し,あらゆる事象を大学生文化として認識する必要がある.統計手法に基づいた定量情報だけでなく,参与観察(オートエスノグラフィー)を用いた質的情報も大学生文化を多角的に理解する材料になる.2020年のコロナ(COVID-19)禍において,各大学は大学生の意識と行動をつぶさに収集し,彼らのキャンパスライフに与える困難に対し,有効な支援を講じなければならない.大学生文化研究の蓄積および調査の果たす役割は大きい.