2025 年 28 巻 p. 101-121
本稿では,日本の高等教育における多様性と包摂の現状と課題について,主として男女という2つのジェンダーを通して検討した.Mezzanotteによる教育の4モデルを用いて,女性の高等教育進学状況を分析したところ,日本の高等教育は排除型から分離型へ,そして分離型を残しつつ統合型へとシフトしてきたが,包摂型には至っていないことが明らかになった.
女性学生の参画が十分でないにもかかわらず,政府は男女共同参画政策と科学技術政策によって女性研究者を支援する事業を優先して推進してきた.しかしながら,女性研究者の増加は緩慢で,多様性が向上したとは言い難い.今後,包摂型の大学を目指すには,大学組織や知識伝達のジェンダー主流化が求められる.