高等教育研究
Online ISSN : 2434-2343
特集 高等教育における多様性と包摂
後期近代社会における高等教育の「多様性」と「保障」
―移民的背景を持つ日本の子ども・若者に焦点を合わせて―
倉石 一郎
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2025 年 28 巻 p. 147-167

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抄録

 本論文は,日本の大学・高等教育における包摂と排除をめぐる検討を通じて,高等教育研究の現代的課題を明示した.特に本稿では,移民的背景を持つ学生・教員の存在に視点を定めた.はじめに,通常型包摂と創発的包摂という2つの概念を提示し,移民的背景を持つ存在にとっての大学・高等教育が,通常型包摂の面では時にけん引役となることもあった一方で,創発的包摂の面では初等・中等段階に遅れをとるという構図を示した.次に高等学校での移民的生徒に対する進路「保障」の局面での大学・高等教育という存在について,実践報告資料を手がかりに検討し,包摂的実践の中に排除的要素がはらまれる構造を明らかにした.その上で,教育機会拡大の鍵としてセキュリティの概念を導入し,大学・高等教育がいかに義務制を含む下位段階の教育に影響を及ぼし,セキュリティの上昇に奉仕しているかを明らかにした.

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© 日本高等教育学会
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