2021 年 13 巻 2 号 p. 79-90
本研究は世界第2位の食品企業(2010年)であった米クラフトフーズ社と最大手日系食品企業である味の素株式会社の間における、日米国際ジョイントベンチャー(味の素ゼネラルフーヅ株式会社)を研究対象としている。
味の素ゼネラルフーヅ(AGF)は1973年8月から、2015年2月までの42年間の長きにわたり、日米国際ジョイントベンチャー(IJV)として成功を収めた。IJV運営において極めて稀な事例である。2015年2月、AGFは味の素株式会社の完全子会社となった。
本研究は、日米国際ジョイントベンチャーにおける企業文化の衝突と再構築が「なぜ」そして「どのように」展開され、国際ジョイントベンチャーの組織成果に繋がったかを味の素ゼネラルフーヅの事例研究によって解明することを目的としている。
調査方法は、筆者が10年にわたり、クラフトアジアパシフィック(KAP)に所属し、KAPヴァイスプレジデント・クラフトフーズ日本代表・AGF副社長の直属の部下であった経験から、AGFの代表取締役、取締役、部長、一般社員にインデプス・インタビュー及び文書での調査を実施し分析を試みた。