2020 年 22 巻 1 号 p. 15-24
本研究では,REBTを用いたキャリア支援の具体化に向けた基礎的データを提示することを目的とし,就職活動を経験したが内々定を獲得できていない大学4年次生を対象に半構造化面接を行い,イラショナルキャリアビリーフの構成概念を探索的に検討した。発言内容を分析し,「自己の価値下げ」,「自分らしさの隠伏」,「就活の無駄」,「楽な就職」,「環境依存」,「受験者尊重」の6のカテゴリーを設定した。また,各カテゴリーについて,REBTにおけるイラショナルビリーフの分類である,1)絶対的要求,2)過剰な恐れ,3)価値の全否定・人としての包括的評価,4)低い欲求不満耐性,との対応を検討した。これらのうち,就職活動そのものに関連する内容としてとらえられるビリーフへの介入は,学生が就職活動に臨むうえで現実を認識し受容するうえで有用であると考えられる。また,「自己の価値下げ」はREBTの無条件の自己受容と関連させ,ライフキャリアの支援という視点から取り上げることができる。本研究の結果は,今後REBTの技法体系を適用したイラショナルキャリアビリーフに介入するキャリア支援の具体化や尺度作成の際に,基礎的資料として活用することが可能と考えられる。