抄録
層状構造を持つ無機イオン交換体を触媒担体として用いることで,活性種を層間へ均一に導入することができる1)。この方法を用いてわれわれが合成した様々な「層間触媒」は “Intercalation Catalysts” として国際的にも認識されるようになった2)。これらの無機化合物の結晶構造や化学的性質を効果的に利用することで,(1)触媒活性種の均一分散と触媒活性の向上,(2)反応空間制御と分子認識性の発現,(3)活性種の立体構造制御と分子認識性の向上,(4)触媒反応補助機能,(5)活性種の安定化などの特長を見いだしてきた。本論文では,われわれが合成して調べた触媒挙動の具体例を取り上げて,層間触媒の特徴を説明する。