日本イオン交換学会誌
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Fe-Mg系およびAl-Mg系ハイドロタルサイト様化合物の合成と陰イオン交換特性
本田 賢一神崎 〓阿部 光雄
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2005 年 16 巻 1 号 p. 41-48

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抄録
Fe-Mg系ハイドロタルサイト様化合物 (以下Fe-Mg-HT) はMgCl2とFeCl3の各酸性水溶液を混合した後, アンモニア水を加え沈澱を生成させた。これを一夜熟成させた後, 水洗し, 風乾したものを粗製試料とした。Al-Mgハイドロタルサイト様化合物 (以下Al-Mg-HT) はMg (NO3) 2水溶液とAl (NO3) 3水溶液を混合し, Na2CO3を含むNaOH溶液を加え沈澱を生成させた。これを一晩熟成させた後, 水洗を行い風乾した。次に, この粗製試料をカラムに詰め, カラムに1.0mol・dm-3の塩化ナトリウム水溶液を通してC1-形したのち, 水洗ならびに風乾して試料とした。得られた試料について, XRD, DTA・TG, (DTA-MASS) , IR等で同定した。
[CH3 (CH2) nCOOH] のインターカレーションの有無を検討した結果, Fe-Mg-HTにおけるinterlayerspacingはnに対して直線的に増加することがわかった。
NaCl溶液中で微量NO3-, Br-およびI-の分布係数を測定した結果, log Kdvs.log [Cl-] の関係は傾斜一1の直線となり, イオン交換平衡が支配的であることがわかった。選択性の順序は両試料ともNO3->Br->I-であった。貫流交換容量はFe: Mg=2: 8のものが最も大きくNO3->Br->I-およびI-の分布係数も最大であった。
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