国際保健医療
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活動報告
ソロモン諸島国における LEDライトボックス顕微鏡による小学校マラリア学習プログラムの試み
大橋 眞村主 節雄川端 眞人石井 明
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2008 年 23 巻 4 号 p. 265-271

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抄録
 マラリアは、熱帯地域の発展を妨げる要因となっている疾患であり、マラリア流行地の地域住民への啓発活動は極めて重要な課題である。今回ソロモン諸島のマラリア流行地の村立小学校において、地域住民と教員の協力を得ながら、その地域のマラリア媒介蚊の幼虫の調査と種の同定や生息場所の地図作成と各家屋の配置を調べる体験型総合学習を行ってマラリアの健康教育を試みた。 この結果として、村内のマラリア媒介蚊幼虫の大まかな分布がわかる村内のリスクマップが作成された。また、LEDライトボックスにより電気のない薄暗い教室内においても、顕微鏡観察によりボウフラの生きた姿を観察することを体験させることが可能となり、媒介蚊である Anophelesに関する興味を持たせることが出来た。これまでマラリアについての知識は十分ではなく、特に Anophelesの幼虫を観察した経験がある児童は皆無であったが、その全員が今回の授業を大変興味をもって取り組めたと回答した。今回の学習プログラムが、マラリア流行地の健康教育プログラムとして有用であることが示された。
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© 2008 日本国際保健医療学会
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