福祉のまちづくり研究
Online ISSN : 2189-891X
Print ISSN : 1345-8973
赤外線音声情報案内システムを利用する視覚障害者の方向特定特性
大久保 紘彦久良知 國雄藤澤 正一郎末田 統
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ジャーナル オープンアクセス

2010 年 11 巻 2 号 p. 21-28

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抄録
視覚障害者が道路を横断する場合、音響信号機等の支援システムが無い交差点では、横断方向を見定めること、横断開始時期を見定めることは難しい。近年、赤外線を利用した視覚障害者用音声情報システムが実用化され、我が国では交差点における横断支援システムとして、同じシステムが米国では音声案内システムとして採用されている。これらのシステムでは、利用者は赤外線信号を受信する携帯型端末を手に持ち、手を左右に動かし、赤外線発光部の方向を特定し、その方向に向かって歩行する。本論文では、携帯端末を走査して得られた手の方向とその方向に歩き出したつもりの歩行方向とのズレを盲人被験者の協力を得て計測した。その結果、携帯端末を操作する際、脇を締めて探索する方がより正確に手の角度を足に伝えられること、携帯端末の受光角度を10度程度に狭くすれば、足裏で横断歩道口に敷設された視覚障害者誘導用ブロックの方向を検出して歩行する場合と同程度の歩行精度を得ることが出来ることを明らかにした。
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