2016 年 18 巻 1 号 p. xiii-xxii
本研究は知的障害者の介助者による交通教育の実態について明らかにすることで、知的障害者の自立した社会参加促進に向けた交通教育のあり方に関する基礎的知見を得ることを目的としている。まず、豊田市に住む無作為に抽出された知的障害者の介助者を対象に歩道・車道空間および公共交通空間での交通教育の実態に関する意識調査を実施した。次に、交通教育を集約する主成分を抽出し、知的障害者の特徴との関係性を分析した。結果、知的障害者の個人属性、日常生活能力によって交通教育の内容に違いがみられ、交通手段選択にも関係していることが示された。