本研究の目的は、中国の内陸都市である西安市を対象に、高齢者福祉施設への入所の実態と課題を地域や施設の種類の違いに着目して解析することにある。分析資料は、高齢者福祉施設の統計資料と入所者へのアンケート調査による。これらの資料により、入所高齢者の属性、入所理由や改善要望などを解析し、施設への入所ニーズや課題は、地域や施設の種類により異なることが把握された。これらの分析結果は、高齢者福祉施設を建設する際に、施設への入所を必要とする高齢者が適切に入所できることで、施設の入所率が上がる重要な要因と意義を示唆するものである。