本研究では中国における都市部在宅高齢者の生活状況と老後の過ごし方に対する意識を明らかにすることで、高齢者の生活支援課題を整理し、必要とする支援について検討を行った。具体的には得られた調査結果―経済状況、健康状況、近隣関係と社会参加、相談相手、介護、社区サービス、ボランティア支援、老後の過ごし方と影響要因等の側面―から生活状況と意識を明らかにし、これらの結果に基づき、1.低所得ゆえの様々な支障、2.医療保健サービスの欠如、3.地域住民間の安定したネットワークの維持、4.介護に対する不安と意識の欠如、5.社区サービスへの理解の欠如、6.変容しつつある養老観への対応、の6つの生活課題を明確にし、今後の支援の方向性について検討を行った。