2019 年 21 巻 2 号 p. 13-24
頸髄損傷者(以下頸損者)は、極めて重篤な体温調節障害(ほぼ全身に及ぶ発汗障害、血管運動障害、熱産生障害、温冷感麻痺)を有するために、日常生活で多くの困難に直面している。筆者は、これまでの人工気候室実験、アンケート及びフィールド調査から、頸損者には一般健常者とは異なる特別な温熱環境的配慮・支援の必要性が示されたため、頸損者の体温調節障害を支援する具体的な方法を確立することが重要であることを指摘してきた。そこで、本研究では、温熱環境に対する頸損者の要望を把握することを目的としたWeb アンケート調査を実施した。その結果、冷暖房設備、衣服、寝具、医療機器、福祉用具への要望が示された。これにより、当事者である頸損者の望む温熱環境的支援の内容が把握でき、本人の要望に沿った支援の課題を明確にできた。