近年、ターミナル駅を中心として、サインに関するガイドラインの策定は活発であるが、サインの設置条件が不明瞭であることや、通常経路とバリアフリー経路のサイン計画が同質と扱われていることに疑問が残る。これまで、サインを対象とした研究において、定量的な視認性を明らかとし、設置条件について考察した事例はない。そこで、本研究は仮想空間にて3種のサイン(吊り下げ型・壁型・路面型)の視認性を評価し、設置条件について言及した。視認性をサインごとに比較した結果、ターミナル駅に相当する混雑が頻繁に生じる空間では、吊り下げ型サインを主とした誘導体系を構築することが望ましく、路面型サインの設置は推奨できない等の結果を示した。