2019 年 22 巻 1 号 p. 4-16
本稿は,日本の社会が外国人の受け入れに際して常に問題となる日本語教育についてこれまでにとってきた政策を概観し,日本語教育の捉え方,在り方等を考察するものである.最初に留学生の受け入れに関わる政策と日本語教育の発展に言及し,その後,入管法改正後に増加した生活者としての外国人に対する日本語教育の需要の拡大とその多様化を紹介する.グローバル化社会で求められる日本語とその教育は言語政策の視点からどのように位置づけられるべきか,また実現のためのビジョンはどのように描かれるべきかについて論じる.