抄録
本稿では,現在日本で異なる文化的背景をもつ日本人と在日韓国人が韓国語を共生学習している431名の学習者を対象に,韓国語イメージ,韓国イメージ,韓国人イメージを探り,尺度を作ることと,学習者の属性による相違,学習要因との関係を探ることが目的である.その結果,「韓国語イメージ」は在日韓国人が高く評価し,<韓国訪問の数>とは相関関係がない.韓国イメージは,<韓国人の友人>がいる要因と相関がある.<韓国語能力>が高いほうが韓国イメージを高く評価する.特に,「歴史的関係」因子は,日本人より在日韓国人の方が高い評価をし,女性より男性の方が,<学習期間>の長いほうが,<韓国語能力>は高いほうが「歴史的関係」を高く意識していることがわかった.韓国人イメージにおいては,全体的に学習要因とは高い相関関係がある.その中でとりわけ,<韓国語の能力>とは高い相関関係がある.<韓国語の能力>が高い方が韓国人イメージも高く評価することが確認できた.