抄録
放射性廃棄物の地層処分施設には、容器の充填などのために多量のセメント系材料の使用が予定されている。セメント系材料が劣化し地下水と反応することで、長期にわたりpH13程度の高アルカリ溶液が生成されると推定されている。このため、処分の安全評価では、地層処分のバリア材の一部として使用が検討されているベントナイト(Bn)の主成分鉱物であるスメクタイト(Sm)の高アルカリ条件における溶解速度が希求されている。Smの溶解速度は粉体状のSmに対して検討されたもので、実環境で用いる高圧縮Bnに適応可能か否かは不明である。そこで本研究では、Smの溶解速度に与える圧縮の影響因子、高い液/固比で得られている結果との差異を明らかにするため、異なる圧縮条件のもとでの透水変質実験を行った。また、さまざまな因子の定量的な検討を行うため、化学モデリングソフトのPHREEQCを用いて計算を行い、実験データとの比較を行った。