抄録
NaAlSi2O6メルトの粘度測定を5.5 GPaまでの圧力下で1350から1880℃までの幅広い温度範囲で測定したのでここに報告する.実験は,高エネルギー加速器研究機構(KEK)の放射光実験施設(PF)で行った.実験の結果,2.2 GPaおよび2.9 GPaで粘度の温度依存性が明らかになったが,活性化エネルギーの値は1 atmのものと殆ど変わらなかった.また,粘度の圧力依存性については,2~3GPaまで単調に減少し,さらに5.5 GPaまでは殆ど変化がないことが分かった.このような粘度変化は2 GPaまでとそれ以上でメルトの構造が変化している可能性を示唆している.このため,X線や中性子回折実験によって,この圧力範囲でのメルトの構造を調べることが極めて重要であると考えられる.