日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: S3-03
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S3:大規模珪長質マグマシステム
栗駒南部地域,赤倉カルデラの火山活動史
*大竹 正巳
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キーワード: 火山活動, カルデラ, 赤倉, 栗駒
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抄録
赤倉カルデラの火山活動史は,次の4つのステージに区分される。 (1)珪長質マグマの上部地殻への集積により,基盤岩の隆起が生じた。これは,向町-赤倉-中山平のカルデラクラスターを包有する広域的隆起であった。 (2)3Ma頃に直径約5kmの環状割れ目から総体積11km3以上の珪長質火砕流が噴出し,上部地殻が垂直深度1,400m以上陥没した。重力的に不安定となった急峻なカルデラ壁が斜面崩壊を起こし,基盤砕屑物が火砕流と共に陥没盆地内に堆積した。 (3)陥没盆地がカルデラ湖になった頃,カルデラ南東部では,安山岩質マグマが噴出し,水底を溶岩流として流動した。噴出したマグマは水冷・破砕によって角礫化しハイアロクラスタイトを生成させ,水中火山体が形成された。 (4)マグマ溜まりの圧力増加により,一度陥没した上部地殻ブロックが隆起し,カルデラ中央部に直径約5kmの再生ドームが形成された。
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© 2008 日本鉱物科学会
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