日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会2008年年会
セッションID: S3-09
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S3:大規模珪長質マグマシステム
大規模珪長質マグマシステムとしての濃飛流紋岩および関連花崗岩類:レビューと今後の課題
*曽根原 崇文原山 智
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抄録
濃飛流紋岩(> 5000-7500 km3)および関連花崗岩類(半深成ストックと苗木-上松バソリス)は,後期白亜紀(ca. 85-68 Ma)のユーラシア大陸縁辺における大規模珪長質マグマシステム(LSMS)の一つを構成していた。このLSMSは次のように特徴づけられる。(1)非常に大規模なシステムで,106年オーダーの期間で形成された。(2)均質な珪長質組成で,高K・Iタイプ・イルメナイト系列のデイサイト-流紋岩質岩からなり苦鉄質岩を伴わない。(3)結晶に富む噴出物を伴う(火山灰流堆積物の本質岩片の斑晶量は30-45 vol. %)。このことはマグマはマッシュ状になり水に飽和したときに噴火することができたことを示す。濃飛火成区に関する更なる研究はLSMSの課題に貢献しうる。例えば,高精度年代測定による,超大規模なマグマシステムの活動率の解明が挙げられる。
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© 2008 日本鉱物科学会
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