抄録
Goalparaユレイライト隕石中よりgraphiteの仮象をなす50ミクロン大の粒子を研磨薄片中より取り出し、ガンドルフィカメラによるX線分析後、FIB法により3枚の定方位TEM試料を作成し、graphiteにユニークな3方向より高分解能電子顕微鏡(HRTEM)観察を行うとともに電子線回折パターンを撮り、転位に伴うgraphiteからdiamondへの構造変化過程を検討した。これらの結果から、graphiteからdiamondへの転位は、グラファイト層が一方向に滑ることによりABC積層を持つ3層構造とAB'A積層を持つ2層構造が並行して出来た後、puckeringとbucklingが起こることによりdiamondとlonsdaleiteが共存しながら生成したことが分かった。