日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2010年年会
セッションID: S1-05
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S1:サブダクションファクトリー
九州の後期新生代マグマティズム-研究の現状と課題-
*永尾 隆志
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抄録
九州の後期新生代火山活動の特徴や火山岩の化学的性質は,過去から現在まで九州が経験してきた様々なテクトニック・イベントを反映して極めて複雑である。・九州全域で輝石安山岩からなる広大な溶岩台地(“洪水安山岩”)が形成され,その化学的特徴は島弧火山岩の特徴を持ち主成分元素のみならず希土類を含む微量元素組成までもが非常に類似している。 ・南部九州では海溝側から背弧に向かってプレート内アルカリ玄武岩,プレート内ソレアイト,島弧玄武岩の順に配列する。 ・火山活動がおこった当時,プレートの沈み込みの影響がなかったとされている地域で,プレート内玄武岩と高マグネシア安山岩,プレート内玄武岩と島弧ソレアイトが共存する。 ・スラブが到達していないと考えられている背弧側でのアダカイト質岩の活動。 ・海溝側でNbの負の異常を示さない安山岩が活動したり,火山フロント上で,プレート内アルカリ玄武岩が活動している。 ・島弧安山岩の2倍以上の軽希土類元素が濃集した安山岩の存在,などである。
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© 2010 日本鉱物科学会
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