日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: T8-P06
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T8:モホ点描 – 超深部掘削計画で何がみえてくるのか?
クロムスピネル中の微細包有物の検討:北部オマーンオフィオライト、Wadi Hiltiの調和性・非調和性クロミタイト
*三浦 真荒井 章司奥野 正幸水上 知行Ahmed Hassan Ahmed山本 伸次
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抄録

ポディフォームクロミタイトの起源について理解を得るため、Wadi Hilti地域の調和性・非調和性クロミタイト中のクロムスピネル中の微細包有物の解析を行っている。微細包有物はディオプサイド、エンスタタイトから成る針状ラメラ包有物およびディオプサイド、パーガサイト、Na-フロゴパイト等から成る球状包有物の2種類がある。後者は調和性・非調和性両クロミタイトに含まれているが、前者は調和性クロミタイトのみに含まれる。チベットのLuobusaオフィオライトのUHPクロミタイト中のスピネルは、後者の様な含水鉱物等から成る球状包有物を一切含んでいない。パーガサイト等から成る球状包有物は浅部起源を示唆し、調和性クロミタイトのクロムスピネル中の針状ラメラ包有物は主に冷却によるサブソリダスでのクロムスピネル中のシリケイト成分の離溶を示している。一方、含水鉱物包有物の有無より、LuobusaのUHPクロミタイトはHiltiの両クロミタイトとは違った起源である事が明白である。

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© 2011 日本鉱物科学会
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