日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R1-01
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R1:鉱物記載・分析評価
島根県邑南町大林鉱山の含銀鉱物
*赤坂 正秀高橋 桜
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抄録

島根県邑南町に位置する大林鉱山および久喜鉱山はそれぞれ1601年及び1542年に採掘が開始されて以来1966年に完全に閉山するまで銀を採掘したとされる。本報告では、品位の高い鉱石試料が得られた大林鉱山における銀鉱物と産状について報告する。大林鉱山は白亜紀流紋岩~デーサイト溶岩・火砕岩・凝灰質砂岩・頁岩の分布域に存在する鉱脈鉱床である。主要鉱石鉱物は黄鉄鉱および硫砒鉄鉱で、随伴鉱物として閃亜鉛鉱、方鉛鉱、黄銅鉱、磁硫鉄鉱、白鉄鉱が産出する。しかし、試料によっては黄鉄鉱が認められないもの、磁硫鉄鉱に極めて富むものもある。自形~半自形の黄鉄鉱、自形の硫砒鉄鉱が、滴状の方鉛鉱、黄銅鉱、磁硫鉄鉱を包有する産状、自形の黄鉄鉱を方鉛鉱、黄銅鉱が囲み、それらの上に黄鉄鉱が形成され、硫砒鉄鉱と方鉛鉱がそれらを取り囲む産状がみられる。閃亜鉛鉱に黄銅鉱病変がみられる場合がある。黄鉄鉱および閃亜鉛鉱中の10 μm程度の晶洞に1μm以下の自然銀、輝銀鉱、Ag2SbS2未詳鉱物、Cu-Ag-Sb-S未詳鉱物、エレクトラムが産出する。

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© 2011 日本鉱物科学会
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