日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R1-03
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R1:鉱物記載・分析評価
シベリア石の合成
*狩野 正裕逸見 千代子
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抄録

 シベリア石とパラシベリア石は多形の関係であり、岡山県布賀で、武田石の変質作用の生成物として産出する。パラシベリア石の合成は知られているが、シベリア石の合成は知られていなかった。  シベリア石と、パラシベリア石の生成条件を決定するために、天然の武田石からの熱水合成を行った。シベリア石とパラシベリア石が、1000気圧、300℃、7日間で形成され、同条件下で14日間合成することで、シベリア石のみが形成された。  また、1000気圧、300℃での、試薬からの合成では、種結晶を加えることで、シベリア石を合成することができた。 シベリア石とパラシベリア石が含まれた粉末試料を、条件を変て熱水合成を行ったところ、いずれの条件も、シベリア石が増加し、パラシベリア石が減少した。  これらのことから、シベリア石は、これらの温度、圧力範囲で安定であり、パラシベリア石は形成の初期に生じるものの、不安定であると考えられる。

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© 2011 日本鉱物科学会
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