日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
セッションID: R1-05
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R1:鉱物記載・分析評価
群馬県沼田市産melanotekiteとwillemite
*山田 隆塩原 嘉昭平間 敏之
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抄録

群馬県沼田市の採石場からmelanotekite(Pb2Fe2[O2|Si2O7];メラノテック石、斜方晶系)とwllemite(Zn2SiO4;珪亜鉛鉱、三方晶系)の産出を確認した。メラノテック石は本邦では初めての産出である。斑糲岩の変質部分の空隙や裂隙に長さ2mmまでの楔状の斜方板柱状自形結晶あるいは柱状~針状結晶の放射半球状集合体として産出、黒色亜金属光沢で結晶面の反射が強く細かくてもよく目立つ。薄片は黄緑色透明である。珪亜鉛鉱は2mm以下、無色~白色のガラス光沢、半透明、六角短柱状の自形結晶である。短波長紫外線照射により緑色の蛍光および燐光を発する。 EDSによる化学分析:メラノテック石はおよそPb:Fe:Si=1:1:1の組成でMnやAlは含まない。珪亜鉛鉱からはZn,Si,Oのほか微量のMnが検出された。 X線粉末回折実験:メラノテック石の主要回折値d(I)は、5.50(75), 5.02(18), 2.94(20), 2.91(45), 2.86(18), 2.73(100), 2.41(30), 1.695 (88), 1.609(66), 1.467(17)で、格子常数:a=6.978, b=10.99, c=10.02(Å)を、また、珪亜鉛鉱の主要回折値d(I)は、3.49(30), 2.84(67), 2.63(100), 2.32(25), 1.861(16), 1.689(28), 1.421(14), 1.418 (11), 1.337(16),で、格子常数:a=13.94, c=9.312 (Å) をあたえる。

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