抄録
小惑星表面に存在するレゴリスは、小天体や宇宙塵などの物体の衝突により生成したと考えられている。小惑星探査機「はやぶさ」により持ち帰られた小惑星イトカワ表面のレゴリス粒子の初期分析では、マイクロX線CTにより粒子のサイズ分布、3次元形状分布が明らかになり、FE-SEMによる粒子表面の観察により微細構造が観察されている。
本研究では、宇宙科学研究所の2段式軽ガス銃により、カンラン岩ターゲットへのクレーター生成破壊実験を行い、放出された破片を高速度破片と低速度破片に分けて回収した。
高速度破片、低速度破片およびカンラン岩ターゲットを砕いた粒子について、それぞれのサイズ分布、3次元形状分布を測定した。また、これらのサンプルをFE-SEM およびSpring-8のマイクロCTを用いて粒子の表面の微細構造および内部構造を観察し、同様の手法により観察されたイトカワ表面のレゴリス粒子との比較を行った。