日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R5-06
会議情報

R5:地球外物質
ナクライト火星隕石の鉱物学的特徴と冷却速度の関係から推測される起源岩体の層状構造についての再考察
*三河内 岳Viktor Hoffmann宮本 正道
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録
新しく見つかったナクライト火星隕石(3つのMIL09南極隕石とNWA5790)の鉱物学的研究を行った結果,3つのMIL09隕石はMIL03346とペアであり,またNWA5790はこれまで見つかっているナクライトの中で最もメソスタシスの量が多く,強い化学ゾーニングを示すことが分かった。これらの結果,これまでに提案されているナクライトの起源岩体モデル(オージャイトとカンラン石結晶が深部から浅部にかけて集積しており,下層ほど結晶が密にパッキングして,冷却速度が遅く,上層ほどメソスタシスが多く,化学ゾーニングの度合いが著しい)に,どの試料も当てはまることが明らかになった。NWA5790は,岩体の最も上層部から来たことが示唆されるが,カンラン石の化学ゾーニングを用いた冷却速度の計算では,NWA817,MILとほぼ同じ約0.5度/時間と言う値が得られた。
著者関連情報
© 2012 日本鉱物科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top