抄録
本研究では東南極大陸Riiser-Larsenに産する片麻岩中にみられるternary feldsparの多様な離溶組織についてSEMによる組織観察およびEBSDによる方位解析をおこなった。その結果、ternary feldsparの離溶組織は(010)と(-901)の2種類の方位を持つ離溶ラメラで構成され、(010)の界面方位を持つ離溶組織はバルク組成においてoligoclase成分に富むternary feldsparに多く見られることがわかった。本研究で扱った片麻岩中のternary feldsparが多様な離溶組織を呈することは、ternary feldsparのバルク組成が異なることで、これらの2種類の離溶組織が異なる量比で出現することにより説明することが可能である。