日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: S3-06
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S3:火成作用と流体
小笠原弧形成初期のマグマの酸素還元状態: Fe-K端XANES分析による推定
*石橋 秀巳小竹 翔子金山 恭子浜田 盛久鍵 裕之
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抄録
小笠原弧の形成初期に噴出・水中急冷されたボニナイト質ガラス(48-44Ma)および玄武岩質ガラス(44-38Ma)について、放射光Fe-K端XANES分析によってFe3+/∑Fe比を定量し、その酸素フュガシティ(fO2)を見積もった。その結果、それぞれ0.2-0.25および0.18-0.22のFe3+/∑Fe比を得た。この比から見積もったΔQMF値(quartz-magnetite-fayalite bufferからのlog fO2の値のズレ)はそれぞれ1-1.7および0.6-1.2となり、ボニナイト質ガラスの方がやや酸化的であった。しかし、結晶分別の影響を補正したΔQMF値を推定すると0.4-1.1および0.4-0.8となり、両者のfO2に大差が見られず、またMORBのそれに比べて系統的に酸化的であることがわかった。この結果から、島弧マントルのfO2発達過程について議論する。
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© 2012 日本鉱物科学会
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