日本鉱物科学会年会講演要旨集
日本鉱物科学会 2012年年会
セッションID: R8-P14
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R8:変成岩とテクトニクス
チェコ共和国・ボヘミア山塊に産するザクロ石橄欖岩から発見した単斜輝石巨晶を用いた温度圧力履歴解析
*苗村 康輔平島 崇男小澤 一仁
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抄録

大陸衝突帯に産するマントル由来のザクロ石橄欖岩の起源として蛇紋岩や緑泥石橄欖岩が累進変成作用によって相転移したとする説が提案されてきた。本研究では新たに見いだした単斜輝石巨晶を用いてこの仮説を検証する。研究対象はチェコ共和国・ボヘミア山塊南部の小規模なザクロ石橄欖岩体であり、花崗岩質のグラニュライトに取り込まれて産する。ザクロ石橄欖岩の高圧鉱物共生はザクロ石+カンラン石 + 斜方輝石 + 単斜輝石 ± クロムスピネル ± 金雲母 ± 角閃石で構成され、その平衡条件はそれぞれ、約1000 ºC/3 GPaと推定されている。今回発見した単斜輝石巨晶は1-3 cmの直径をもち、周囲は比較的細粒なザクロ石橄欖岩共生に囲まれている。単斜輝石巨晶はカンラン石 + 斜方輝石 +Ca角閃石 + 金雲母 + アパタイト ± ferrite chromite ± ハットン石を包有し、コアからリムに向かってAl, Crが顕著に増大する:~ 2.0→3.0; Cr2O3:~ 0.5→~ 1.0 wt%。単斜輝石巨晶コアと包有物の形成条件をAl−Cr斜方輝石温度計で推定した結果、650−700 ℃を得た。単斜輝石巨晶リム部はマトリクスの輝石と同じ化学組成を示し、ザクロ石橄欖岩条件で再平衡されたと考えられる。以上の結果は、緑泥石橄欖岩が沈み込んでザクロ石橄欖岩に相転移した仮説を支持する。

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© 2012 日本鉱物科学会
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