抄録
水のケイ酸塩メルト/ガラスの性質へ及ぼす効果を理解するには、水の溶解機構の解明が必要不可欠である。Ca-Mgケイ酸塩メルト/ガラスにおいては、我々のこれまでの研究から、水は分子H2Oのほか、メルトのネットワーク構造や粘性に相反の効果を及ぼすSiOHとfree OH (e.g. MgOH)種として存在することが分かった。一方で、アルカリケイ酸塩系においてはfree OHの存在は未だに議論されている。本研究では1H MAS NMRと29Si-1H と 23Na-1H二重共鳴NMRの組み合わせにより、Naケイ酸塩メルト/ガラスには水は主にメルト構造の重合度や粘性を下げる効果のあるSiOH種及び分子H2Oとして存在することを明らかにした。