栄養と食糧
Online ISSN : 1883-8863
ISSN-L : 0021-5376
ラクターゼによる牛乳中の乳糖分解 (第1報)
祐川 金次郎
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1974 年 27 巻 1 号 p. 7-11

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抄録
Saccharomyces lactisから分離されたラクターゼ製剤の牛乳に対する利用性を検討し, つぎのような結果を得た。
1) ラクターゼの力価は35, 800ONPG/g. グルコースの定量はFarb-Testを用いた。
2) ラクターゼ0.5, 1.0および2.0mg/mlをそれぞれ加えて, 37℃, 0~60分間反応させた場合, 1.0mg/mlの条件では約30分間で牛乳中の乳糖は完全に加水分解される。
3) 用いたラクターゼ製剤は, 牛乳たん白質に対して分解作用を示さなかった。
4) ラクターゼ処理乳は, 95℃, 10分間以上の加熱で褐色化する。
5) ラクターゼ処理乳の風味上の欠陥は認められない。 甘味度はラクターゼ処理条件にともなって増加する。
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© 社団法人日本栄養・食糧学会
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