小惑星表面や星間空間では,太陽風や銀河宇宙線照射により,鉱物の風化や変成がおこると考えられている.それを模擬して,α-アルミナ(α-Al2O3)へのHeイオンの照射実験を行い,α-アルミナへの照射実験試料表面の断面を走査/透過型電子顕微鏡(TEM/STEM)を用いて詳細に観察・分析を行った.α-アルミナの表面層には,ブリスター構造が観察され,Heによると思われる空隙が存在した.また,表面層からはα-アルミナ以外の反射が出現し,γ-アルミナあるいは類似の構造をもつθ’-アルミナとなっていると考えることができる.EELSの結果からもα-アルミナから構造が変化していることを支持する結果を得ている.