抄録
2012年12月から2013年2月にかけて東太平洋中央海嶺近傍のヘスディープ海盆において実施されたIODP Expedition 345研究航海で、世界で初めて海洋地殻下部を構成する初生的な層状斑れい岩が掘削された。この層状斑れい岩には早期晶出と見られる斜方輝石が産出する。本発表では、ヘスディープ海盆の斑れい岩に発達する特徴的な2種類の層状構造(Simple modal layersとIrregular bands)のうち、Irregular bands(不規則な縞状構造)を含むMultitextured層状斑れい岩の岩石学的特徴と鉱物化学組成分析結果を報告し、その成因を考察する。