抄録
凝灰岩を対象に石英のカソードルミネッセンス像解析と石英中の微量元素含有量(Ti, Al, Fe, K)の分析を行なった。その結果, 石英のOscillatory zoningが観察された。 CL強度の高い(明るい)コア部は明瞭な累帯構造により被覆されている。その累帯構造は石英の外形と平行である。コア部のTi含有量は310ppm,暗い部分では170ppmである。石英中のTi濃度は,CL強度の低いところで低い値を示し、CL強度の高いところではTi濃度が高い傾向にある。このSEM-CLによる石英の累帯構造とTi含有量の関係からマグマ溜まりの熱履歴の追跡(Wark and Watson.,2006)や大規模噴火発生までのリードタイムの推定を可能と考えられる。